CDブートでルーターに使うためのLinux「Devil-Linux」
http://www.devil-linux.org/home/index.php
今現在,日本国内における PC の普及状態として,自宅に PC が一台だけという家庭は珍しくなってきている.たいていは一家庭に 2 〜 3 台が当り前の時代になってきているのである.そうなると,複数の PC がネットワークへ出るための経路を確保しなくてはならない.そこで登場するのが,ルータと言う装置だ.ルータは一口で言えばネットワークを仕切る装置であり,WAN と LAN を仕切るものとして広く利用されている.わたしの自宅でも,コレガのジャンクルータが週に一回程度のペースで再起動を要求しつつ,元気に稼働している.さて,実はわたしはこのルータに不満がある.いくら 24 時間連続稼働とはいえ,週に一回のペースで再起動(しかも思った以上に長い)を要求されては,実験用や出先でのファイル調達用にサーバを立てることも出来ない.そこで思いたったのが,ジャンク PC をルータ化するという計画である.幸い押入の中には 10 年ものの PC (HDD なし,RAM 32MB) があり,ファストイーサネットカードも 2 枚余っている.これから先を考えればギガビットイーサネットを考えるべきなのかもしれないが,わたしのやりとりするファイルの 90% はテキストファイルであり,そこまでの高速は必要ないのだ.それらを装着した後で,ふと OS について考えた.当初は実験がてら *BSD でも使おうかと考えていたのだが,よく考えたら HDD がないインストールができないのである.そのためだけに HDD を購入するのもバカらしいので,Live-CD タイプの Linux でルータを構築することにした.前置きが長くなった.本日紹介するのは Devil Linux.ファイアウォールやルータに使われることを前提に開発されている,Live-CD Linux である.用途が用途だけに,ディストリビューション自体のサイズも小さく,150MB ちょっとしかない.また,おもしろいことに Samba や http デーモンなどのサーバ系パッケージがインストールされているので,もしこれを玄箱などに移植できれば,おもしろい使いかたができるのではないだろうかと思った.簡易 GUI を用いたテキストベースの設定ツールも提供されているので,SSH でログインしてリモート管理をするのだとしても,とても楽そうである.もちろん iptabels や netstat などのネットワーク関連コマンドはピンからキリまで準備されているので,コマンドの練習台としても利用できるだろう.間違った設定をしても,再起動で元通りなのだから.ただし,パッケージには vi 系エディタしか含まれていないので,Emacs 使いの方は要注意だ.ともあれ,今回経験してつくづくルータ自作も面白いと感じた.なんでもお手製でないと気の済まないあなたに,ぜひ手に取っていただきたいディストリビューションである.